廃材を創造活動の表舞台に引き上げる試みが、世界各地で芽生えています。世界のリユース・アート・センターの倉庫には、ありとあらゆる廃材が整理分類され、利用を待っています。モノ作りの好きな市民、アーティスト、デザイナー、授業のヒントや素材を得に来た教師、芸術NPOのスタッフ、演劇人、たくさんの子どもたちが、素材を探しにやって来ては、思いがけない発見に感激しながらそれらを持って帰ります。もちろん創作を楽しむことも可能。誰もが廃材の美しさを再発見し、インスピレーションをかき立てられ、何かを創りたいという気持ちになります。
仕分けや活用のためのサポートには地域の人々が深く関わり、新たな地域のコミュニケーションを育んでいます。企業は廃材の提供はもちろんのこと、仕分けボランティアに社員を派遣することもあります。また、ここではアッセンブリーした素材のキット、オリジナルのプロダクト、エリア外の学校への通販による素材提供、ワークショップや素材活用の有償講座など、循環型社会の新たな産業も生まれています。
長年にわたり世界各地でクリエイティブ・リユースの調査をしてきた大月ヒロ子氏は、今こそ、コミュニティーに現存する地域資源(人・モノ・事)を生かしながら、"セーブするエコからクリエイティブなリユースへ"と舵を切り直す時期であると考えています。その拠点ともなるクリエイティブ・リユース・ラボは、デザインの「内」と「外」を結ぶ施設に設置されてこそ、その機能を十二分に発揮するとも提言。今回は、人にとってクリエイティビティ―とは何か?という根源的なテーマも皆さんと掘り下げていきます。
開催日
2012年3月27日(火)
時 間
18:30 開場
19:00-20:00 ゲストスピーカーによるプレゼンテーション
20:00-21:00 質疑応答&交流会
定 員
20名
参加費
無料(要事前申し込み)
大月ヒロ子(ミュージアム・エデュケーション・プランナー、IDEA R LAB)
http://www.idea-inc.jp
有限会社イデア代表取締役 / IDEA R LAB代表。ミュージアム・エデュケーション・プランナー、社)日本デザインコンサルタント協会会員。板橋区立美術館学芸員として勤務後、独立。1989年有限会社イデア設立。以後、今に至るまで、チルドレンズミュージアムや美術館、博物館、科学館の開設および運営におけるコンサル、教育プログラム開発、展示企画のほか、美術展監修などもおこなってきた。大阪府立大型児童館ビッグバン総合プロデューサー、東京国立近代美術館客員研究員なども歴任。九州国立博物館の教育ゾーン「あじっぱ」の総合プロデュース、沖縄市ワンダーミュージアムのハンズオン展示、集合住宅内のキッズスペース(野村不動産)の企画・デザイン監修、東京大学福武ホールの学環コモンズ空間監修<Good Design賞>など、コミュニケーションを誘発する学びの場のデザインに取り組んでいる。
ファシリテーター
大谷 燠(NPO法人 DANCE BOX Executive Director)
http://www.db-dancebox.org/
[企画:大谷 燠]